三通目の手紙

７年ほど前、わたしはきれいな空が描かれた便箋を買った。
ただ、白くて青い気持ちを伝えたかったから。
だけどその便箋は、使われることはなかった。踏み切れなかった。
そのひとは今おそらく、毎日毎日読みきれないほどの手紙をもらうほど
忙しく、表に立った生活を送っていると思う。

３年ほど前、わたしはもう一度その便箋を使ってみようと思い立った。
どうしようもなく大切なこの気持ちを、伝えたいと思うひとができたから。
だけどその便箋はまた、使われることはなかった。言葉になんてできなかった。
そのひとは今おそらく、手紙を出しても届かないところに居る。

結局その便箋は、高校の後輩たちに宛てた手紙に使ってしまって、今はもう無い。

そして、今。
もう一度、きれいな空の便箋がほしいと思っているわたしがいる。
三通目の手紙は、出すことができるかなあ。

…なんてことを今日、寝起きの頭で思いついた。
その瞬間、心の中でちっちゃくガッツポーズしちゃった。
このブログのタイトルは、そんな意味で付けたんじゃなかった。
たまたま、本当に偶然、こんなことに結びついたの。
言葉が呼び寄せた、のかなあ。

大切だから伝えたくて、それでも言葉にできなくて
何度も何度も挫折して、それでも捨てきれなくて
そんな気持ちにもう一度、向き合ってみるのも悪くないかな、なんて。